
最近のゲームや3DCGのグラフィックって、実写と見間違えるくらいリアルで綺麗だよね。
でも、その一方で「イラストがそのまま動いているような映像」や「油絵みたいなタッチのゲーム」に強く惹かれることってないかな?
実は今、最先端のCG技術を使って、あえて手描きのような温かみのある表現を作る手法が大注目されているんだ。
この記事では、最新のゲーム開発者向けカンファレンスでも話題になった、まったく新しい画作りの技術についてたっぷり解説していくよ。
これを読めば、「最新技術=リアルな映像を作るもの」という常識がひっくり返って、CG表現の無限の可能性にワクワクすること間違いなしだね!
これからのクリエイティブな世界がどう変わっていくのか、一緒に覗いてみよう。
欠点の「ノイズ」を「筆のタッチ」に変える魔法の技術だよ

リアルタイム レイト レーシング を 用 いた npr ペイント 風 レンダリングというのは、一言でいうと「計算途中のザラザラしたノイズを、あえて絵の具のタッチや鉛筆の線として活かす」という、ちょっと天才的な逆転の発想から生まれた手法なんだ。
普通、レイトレーシングっていうのは、光の反射や影を物理的に正しく計算して、現実世界そっくりのフォトリアルな映像を作るために使われることが多いよね。
でも、この手法はそこを目指していないんだよ。
NPR(Non-Photorealistic Rendering=非写実的レンダリング)と呼ばれる、アニメ調やイラスト調、ペイント調の表現を目指すために、最先端の光の計算技術を使っているんだ。
2025年のCEDEC(日本最大級のゲーム開発者向けカンファレンス)で、シリコンスタジオさんによって発表されて、大きな話題になったんだよ。
最大のポイントは、「光の計算を途中でやめると出てしまうノイズ」を、消さずにそのまま絵作りの素材として使っちゃおう!というところなんだね。
これによって、まるでアーティストが筆で描いたような温かみのある表現が、リアルタイムに動く3D空間で作れるようになったんだ。
どうして最先端の技術をイラスト調の表現に使うの?

「わざわざ重い計算をするレイトレーシングを、アニメや絵画みたいな表現に使う必要あるの?」って思うかもしれないね。
ここには、クリエイターたちの「もっと自由に絵を作りたい!」という熱い思いと、合理的な理由が隠されているんだ。
リアルさよりも「理想の絵」を作るための強力なツールだから
レイトレーシングを「物理的に正しい光の再現」のためだけではなく、「狙った画作りのための光線追跡ツール」として使うのが、この手法の面白いところなんだよ。
今までのNPR(セルルックやイラスト調の3D)は、テクスチャを手描きしたり、影の出方を無理やり調整したりして、かなり職人技に頼っていた部分が大きかったんだよね。
でも、レイトレーシングを使えば、光がどこから来て、どう反射して、どこに影が落ちるかを正確に追跡できるんだ。
その正確なデータをベースにしつつ、「ここは暗すぎるから少し明るくしよう」「ここの輪郭はもっと太くしよう」みたいに、計算結果を自由に曲げて自分の好きな絵を作ることができるんだよ。
つまり、正確なキャンバスと下書きを機械に用意させて、その上から自分好みの味付けをするような感覚だね。
邪魔なノイズを「デノイズ」で消さない理由
ここからが、この技術の本当にすごいところなんだ。
どうしてノイズをそのままにするのか、その理由をもう少し深く掘り下げてみよう。
従来のレイトレーシングの常識とは?
レイトレーシングって、実はものすごく計算量が多い技術なんだよね。
画面のピクセル一つ一つに対して、何本も何本も光の線を飛ばして計算しないと、綺麗な映像にならないんだ。
でも、リアルタイムで動くゲームなんかだと、そんなに大量の計算をする時間がないから、少ない計算回数(少ないサンプル数)で妥協しなきゃいけないんだよ。
そうすると、画面にザラザラとした「ノイズ」がたくさん乗ってしまうんだね。
だからこれまでは、そのノイズを「デノイズ」と呼ばれる技術を使って、無理やりツルツルに滑らかにしてごまかすのが当たり前だったんだ。
でも、滑らかにしすぎると、なんだかのっぺりとした不自然な映像になってしまうという悩みもあったんだよね。
少ない計算が生み出す偶然の「筆致感」
そこで研究者たちはひらめいたんだ。
「このザラザラのノイズ、よく見たらキャンバスのざらつきや、絵の具の筆跡、鉛筆のハッチング(斜線で影をつける技法)に似てないか?」ってね。
だから、あえてデノイズで綺麗に滑らかにするのをやめてしまったんだよ。
少ないサンプル数で発生したノイジーな画像を、そのまま「素材」として扱う。
これって、計算量も減らせてPCの負荷も軽くなるし、しかも絵画みたいな味のある表現ができるしで、まさに一石二鳥の素晴らしいアイデアなんだ。
弱点を強みに変える、とってもスマートな解決策だよね。
実際にどんな工夫で絵画っぽく見せているの?

「ノイズをそのまま使う」と言っても、ただザラザラした画面を見せるだけじゃ、単なるバグや画質の悪い映像にしか見えないよね。
それをちゃんと「芸術的なペイント風」に見せるために、いくつかすごい工夫がされているんだ。
具体的なテクニックを3つ紹介するね。
1. ペイント風に見せる独自のフィルタリングマジック
ただのノイズを筆のタッチに見せるために、特別なブラー(ぼかし)やフィルタを組み合わせているんだ。
例えば、こんな処理をしているんだよ。
- ノイジーな画像に対して、縦方向や横方向など、別々の方向にブラーをかける
- それらの画像をうまく掛け合わせて、鉛筆でシャカシャカと描いたような「ハッチング風」の見た目を作る
- 色の境目を少しにじませて、水彩画や油絵のような混ざり具合を表現する
普通なら「ノイズを消す」ために使うフィルタリングの技術を、「ノイズを絵の具のタッチに変形させる」ために使っているんだね。
このフィルタの掛け方次第で、油絵っぽくも、水彩画っぽくも、アメコミ風にもアレンジできるのが面白いところなんだ。
2. 陰影を際立たせるAO(アンビエントオクルージョン)の活用
3Dグラフィックの世界には、AO(アンビエントオクルージョン)という技術があるんだ。
これは、部屋の隅っこや、物の隙間みたいに「光が届きにくくて暗くなる場所」を計算して、リアルな陰影をつける技術なんだよ。
今回の手法では、このAOがものすごく重要な役割を果たしているんだ。
普通、綺麗なAOを作るにはたくさん計算が必要なんだけど、あえて「1サンプル」っていうギリギリの少ない計算しかしないんだよね。
そうすると、やっぱりザラザラのノイズだらけの影ができるんだけど、これを輪郭線や、影の境目の表現の「素材」として使っちゃうんだ。
たった1回の計算で得られた粗いデータを、最高のスパイスとして料理する感覚だね。
これによって、手描きイラスト特有の「線の強弱」や「影のざらつき」が見事に表現されているんだ。
3. GPUのパワーをフル活用したリアルタイムな見た目調整
昔は、こういった複雑な表現を作ろうとすると、映画のCGみたいに何時間もかけてレンダリング(映像の書き出し)をする必要があったんだ。
でも今は、パソコンやゲーム機に入っているGPU(グラフィックボード)の性能がものすごく進化しているよね。
DXR(DirectX Raytracing)やVulkanといった最新のAPIを使うことで、ハードウェアレベルで高速にレイトレーシングができるようになったんだよ。
Unreal Engineのようなゲームエンジンでも、こうした機能が標準で使えるようになってきているんだ。
だからクリエイターは、「ここをもっと油絵っぽくしたいな」と思ったら、パラメータをいじるだけで、ゲームを動かしながらリアルタイムで見た目の変化を確認できるんだね。
トライ&エラーがすぐにできる環境が整ったことで、写真的精度よりも「印象」を優先するNPR表現の研究が一気に進んでいるんだよ。
物理法則にとらわれない新しい表現の未来へ

ここまで見てきたように、この技術はただ映像を綺麗にするものじゃないんだ。
リアルタイムレイトレーシングという「物理的に正しい光を計算する」最先端の技術を使って、あえて「物理法則を無視したアーティスティックな表現」を生み出しているんだよね。
ノイズを欠点として隠すのではなく、表現の強力な武器として活用する。
デノイズでツルツルにするのではなく、フィルタリングで筆の質感を与える。
この「引き算の美学」とも言えるハイブリッドなレンダリング手法は、これからのゲームやアニメーションの見た目を劇的に変えていくかもしれないね。
今まではフォトリアル一強になりつつあったハイエンドCGの世界に、もっと多様で個性的なアートスタイルがたくさん生まれてくると思うと、すごくワクワクするよね。
あなたのアイデアにも、この新しい表現を取り入れてみよう
「こんなすごい技術、大企業にしか使えないんじゃないの?」って思うかもしれないけど、そんなことはないんだよ。
先ほども言ったように、Unreal Engineなどの普及によって、個人のクリエイターやインディーゲームの開発者でも、最新のレイトレーシング技術に簡単にアクセスできる時代になっているんだ。
もしあなたが3Dモデリングやゲーム開発に興味があるなら、ぜひ「リアルさを追求する」のとは違うベクトルの画作りに挑戦してみてほしいな。
あえてサンプル数を極端に減らしてみたり、ノイジーな画面にヘンテコなフィルタをかけてみたり。
そこから生まれる偶然の「ノイズ」が、誰も見たことのないあなただけのオリジナルな「筆致」になるかもしれないよ。
最新技術をどう遊ぶかは、あなたのアイデア次第なんだ。
ぜひ、失敗やノイズを恐れずに、新しいCG表現の実験を思いっきり楽しんでみてね!